青山の夜(猫編)

地下鉄駅の階段を上り、出口に出た。時計の針は午後9時を回っていた。約束の時間までには、まだ、たっぷりと時間がある。

<せっかく近くまで来たんだし、お墓参りでもするか>と思った。こんな遅い時間に中に入れるのだろうかと不安に思いつつ、門前までのアプローチをゆっくりと歩いた。

お寺の門は開いていたものの、さすがにちょっとコワくなった。なにしろ、その先にあるのは墓地である。

<やっぱ、やめとこ>

と思った時だった。どこからともなく、一匹の猫が現れた。

首輪を付けていないし、野良猫だろう。暗くて色はよくわからなかったのだが、おそらく、縞々模様のトラ猫だ。

犬派か猫派かと言われたら、猫派である。にもかかわらず、猫にはあまり好かれない。理由は自分でもよくわかっている。興味津々でじっと見つめてしまうため、「こいつは敵だ」と勘違いされてしまうのだ。

この時も「あっ、猫だ」とつぶやいた瞬間、互いに目が合った。ような気がした。

どういうわけか、最初から警戒心というものをまったく感じなかった。猫は私を見て立ち止まり、こちらがしゃがむと、呼んでもいないのに近づいてきた。暗かったから、見つめられても気にならなかったのだろうか……。

「おー、よしよし」

私の周りをぐるぐると回りながら、体をこすりつけてくるトラちゃん。時に、それは<もしかして体当たりされている?>と思うくらいの勢いがあった。こんな風に積極的に猫にまとわりつかれる経験は初めてだったもので、すっかり、たじろいでしまった。

しばらくしても、猫は私の元を離れる様子はなかった。足下に顔をこすりつけてきたり、お尻に向かって突進してきたりもする。コンクリートの地面に横になって無防備に腹を見せたかと思えば、ごろり、ごろりと左右に転がってみせる。

<そんなに背中かゆいのか?>と、思ったりもした。

改めてインターネットで調べると、どうやら、あれはマーキングの一種だったらしい。スリスリと顔をこすりつけてくるのは親愛の情を示す行為と書いてあり、反省した。

そう言えば、立ち去ろうとした時もトラちゃんは名残惜しそうに私の後を付いてきた。そんなにかまって欲しかったのだろうか……。気がつかなくて、ごめんよ。猫の気持ちがわからない、鈍い人間なんです。

にしても、あれはオスだったのか、メスだったのか?

じつは、あの後、猫のことが気になって、しばらくしてからもう一度、同じ場所に戻ってみた。残念ながら、姿はもう見えなかった。加えて、最初はちっとも気づかなかった「あること」に気がついてしまった。

なんと、そこにはペット供養墓が(!)。

うーむ……。

実話です。

*写真は「青山ベルコモンズ」(黒川紀章氏設計)の在りし日の姿。2014年10月9日、取材で近くを通りかかった際に撮影したもの。すでに解体が決まり、看板は取り払われていましたが、かろうじて外観だけは残っていました。

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今年初の猛暑日で…

日本列島もかなりヒートアップしてまいりました。6月18日午後2時前、群馬県館林市では35.1℃を観測したとか。全国で初の猛暑日となったそうです。そんなニュースで思い出したのが、2014年4月30日に撮影したこの写真。知る人ぞ知る「あつべえ」のお面です。しんきん経営情報に連載しているダジャレコラムの取材で埼玉県熊谷市役所を訪問し、職員の方に「熱いぞ!熊谷」事業について伺った際に撮影しました。

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何度見ても、インパクト大です。ゆるキャラ全盛の時代に、あえてゆるくない、むしろ暑苦しいキャラクターで勝負しようとする姿勢に心意気を感じました。暑さを逆手に取り、それを「熱さ」に変え、なおかつ、貴重な観光資源として活用しようという斬新な取り組み。そこには「弱み」を「強み」に変える逆転の発想があるではないですか……。

「すごいぞ、熊谷!」

と、こっちが妙に熱くなりかけたところで、市の公式キャラクターは「あつべえ」ではなく、ゆるゆるの「ニャオざね」だという事実を知らされ、ショックを受けたのでした。

「やれやれ、今年もあつべえが活躍する季節になってきたな」と思っていたら、偶然にも、こんな日傘を発見しました。その名も「ハッと!アンブレラ」。ネーミング・ウォッチャーこと、ダジャレ探偵の血が騒ぎます。

見た目は「傘」というよりも、「笠」そのもの。両手が塞がらないのが売りなのでしょう。それにしても上部にヒラヒラが付いているのはなぜなのかと思ったら、どうやらそこに切り込みがあり、風が抜ける構造になっているらしいです。

街中で使うにはかなりの勇気がいりそうですが、野外で作業する際にはいいかもしれません。(だったら、笠をかぶればいいじゃないかというツッコミはなしで)

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*上記商品と写真の掲載元はこちら→http://www.kasa-higasa.com/SHOP/3810-1.html

とにもかくにも、この暑さは危険です。熊谷市民に限らず、みなさん、熱中症にはくれぐれもご注意ください。