Girls in Tech Japan のイベントを取材しました

12月17日土曜日、東京港区にて「Girls in Tech Japan」のローンチイベントが開催されると聞き、取材しました。Girls in Techとは2007年、サンフランシスコで創立されたボランティアで運営されるNPO組織です。世界に63の支部を持ち、5万人を超えるメンバーがグローバルなネットワークを構築しています。その日本支部が設立されたのは2016年3月のこと。現在はダイキン工業の研究者である加藤愛子さんが、その代表を務めています。

じつは、当初の予定では、Girls in Techの創設者であるアドリアナ・ガスコイーヌさんが来日して基調講演をするはずでした。ところが直前、事故に遭い、来日できなくなってしまったそう。代わりにこの日は、商談で来日していたボーランド支部代表でロンドン支部のディレクターも兼任するカミラ・ハンキーヴィッチさんがイベントに参加しました。

プレゼン資料によれば、企業内で活躍する技術系の女性は世界的に見ても少なく、おおむね20%を切る数字となっています。加藤さん自身、身近に仕事のことを相談できる女性が少なかったために社外の女性たちとつながりたい、と思ったそう。ちなみに、技術系のことをScience,Technology,Engineering,Mathematicsの頭文字を取って「STEM分野」とも呼びます。

じつは、私が駆け出しの記者だった頃、よく追いかけていたテーマが、今日で言うところの「女性活躍」でした。かれこれ20年くらい前の話になります。当時に比べると、女性が向かい風と”格闘”している感じは明らかに薄れ、自然体で語る方が増えてきたと感じます。もっとも、抱えている悩みの質はあまり変わらなかったりもするのですが……。

「女性は強いね」「元気だね」と言われているうちは、胡散臭いです。言われるたびに、「強くあらねば」「元気でいなくては」というプレッシャーを感じ、必要以上に「強くて元気な自分」を演じなくてはならなくなります。男性も女性もことさら属性を意識することなく、「自然」で「ふつう」にいられるのがいい社会。早くそうなればいいな、と思います。

出会った方々のことは、いずれどこかでご紹介できれば。

試写会に行ってきました

風邪気味なので、家でおとなしくしています。が、試写会で観た映画が心に残ったので、ぜひ、お知らせしたいと思いました。邦題は『ホームレス〜ニューヨークと寝た男』。アメリカでは2014年に公開されましたが、日本でも2017年1月28日より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで公開されます。

写真をご覧の通り、主役のマーク・レイ氏はパッと見、ホームレスとは思えないほどスタイリッシュな男性です。1959年、アメリカ・ニュージャージー州の生まれの50歳代。身長188センチのロマンスグレーで、デザイナーズスーツを着こなす姿もサマになっています。それもそもはずで、彼は若い頃、モデルとして活躍していました。ファッション・フォトグラファーとして働きながら、時にエキストラとして俳優の仕事もこなしつつ、生計を立てています。

撮影当時、彼の1ヵ月の生活費は1205ドル。そのうち280ドルを健康保険料、125ドルをスポーツジムの会費が占め、携帯電話代50ドルを差し引いた残りが食費と交際費でした。荷物はスポーツ・ジムのロッカー4つ分に入るだけ。究極のミニマリストとも言えます。そんな彼の家は、マンハッタンの雑居ビルにあるアパートメントの「屋上」。彼はじつに6年近くも、その屋上の片隅で寝袋にくるまり、シートをかぶって寝ていました。

エキストラの仕事をするために、公園のトイレで身だしなみを整え、”出勤”していく彼━━。屋上から見えるマンハッタンの夜景を彩る花火の美しさと、彼がホームレスであるという現実とのコントラストが、なんとも印象的な映画です。カイル・イーストウッド氏とマット・マクガイヤ氏による音楽も、街の景色によく似合う。ただ、何よりもこの映画を魅力的で救いのあるものにしているのは、マーク・レイ氏自身が醸し出す聡明さとユーモアだと思います。彼を「挑戦者」と思うか、「敗者」と思うか、は人ぞれぞれでしょう。

ところで、私が気になったのは、英語の原題が『HOMME LESS』となっている点です。hommeはフランス語で「男性(人間)」を意味する言葉ですが、それがless(ない)とはどういうことなのでしょうか。「経済的に成功すること」と「家を持つこと」、そして「男性らしさ」との関係について考えてしまいました。

ちなみに、彼がフランス版『ヴォーグ』の表紙を飾った際のギャラは60ドルだそう。女性モデルとは違い、男性モデルのギャラは破格に安いのだそうです。

私にはこの映画を的確に評するだけの力はありません。が、ふと、こんなことを思いました。もしも、似たようなドキュメンタリー映画を日本で撮るとしたら、舞台は中銀カプセルタワービルになるのかな、と。